スピナーベイト私録8 ― ヒルデブラントの精兵ザ・ブレードと私的スロー・ロール考


既に何度も書いてきたことだが
私のスピナーベイティングは水面直下と表層 ー せいぜい水面下20cmまでをメインに狙うもので
ストロング・バット・フィネス、1/fゆらぎ、を
スピナーベイトの釣れる根本原理とみなすものだ。
そこからレギュラー/中心軸/平均的に最強なのは
バイブラシャフト、1/4(あれば実は1/8)、タンデム・ウィロー、黒ヘッド黒ファー・スカート
だとして常用している。
だがそんな中、タックルケースに常駐こそさせてないものの
何らかの未知の、そして常ならぬフィールド状況が予感される時に
特殊スタンバイ要員としてストックから引っ張り出してケースに特別に忍ばせる
非レギュラーながら替えの効かない代打クリーン・ヒッターとして信頼するスピナベが1種ある。
ヒルデブラントのザ・ブレード、1/4、ダブル・ウィロー、ミッドナイト・スペシャルだ。



タイトルに冠した「私的スロー・ロール」は一旦措いて
ザ・ブレードの元々のスピナーベイトとしての優秀さをまず足早に語っておこう。
ヒルデブラントのブラックジャックやティン・ローラーと同様に
バーニー・シュルツがデザインしたザ・ブレードは
・ティン(錫)による比重の小さいヘッド(=同じウェイトならシルエットはより大きく作れる)
・スピード・ブレード・システム(リア・ブレードを現場で簡単に交換可)
・横幅薄く、赤いエラを模したラジエーター状の下端を持つフィッシュ・ヘッド・デザイン
と、当時のアメリカ製スピナーベイトの中では異例なまでにアイディアと仕立てに凝った
それでいてはったりの見掛け倒しに終わらないスタンダード高級(だが廉価な)スピナベだった。
横から見て大きく目立ち、かつ幅は薄く、したがって水流で横揺れしやすくライフライク、
というヘッドは、泉和磨氏のハンクル・スピナーベイトからインスピレーションを得た、という。
ごく初期にはダブル・ウィロー好きだった、そして段々とタンデム・ウィロー1択になっていった私だが
折に触れこのザ・ブレードは両タイプ、各カラーを買っていたものだ。
ちなみに、上の3機に共通する、そう大した意匠とも思われていないらしきトレーラー:
フックに別留めの、主に赤色の幅広シリコン二つ裂きツイン・テール・トレーラー(名称不詳)は
昔メジャーだったらしきスプリット・テール・ワームのトレーラー遣いを模して
安価かつスマートなデフォルトおまけとして実装した好アイディアだ。
主スカートの中から後ろ方向に一際長く伸び、ちろちろと尾びれよろしく揺らめくこのトレーラーは
私がそれ以降スピナベに、スカート/トレーラー兼業のファーを用いるようにしたヒントでもあった。



そのようにスタンダード使いにも十分優秀なザ・ブレードだったが
バイブラシャフトのタンデム・ウィロー1択志向が進むにつれわざわざ使う理由もなくなっていた頃、
推定で ’98、’99年頃の10月終わりから11月初め
私は龍ケ崎市の「佐貫のプール」で思いがけずスロー・ロールの必要な状況に行き当たり
その際にザ・ブレードのダブル・ウィロー、ミッドナイト・スペシャルの重宝な適性に気付かされた。



話には聞く(読む)もこれといって実感したことはなかった秋のターン・オーバーってやつからか、
その日の私はおなじみの佐貫のプール、おなじみのラトリンラップ、シャロー・シャッドラップの釣りで
びっくりするくらい釣果をあげられずにいた。
夏終わりの小貝川の堰開け水位落とし後のこのエリアには
ベジテーション絡みのスピナベ釣りが有効なラインはほぼないに等しく
土の自然岸の草の掛かるラインを表層巻きで狙うようなバイブラシャフトでの常道の攻めは論外だった。
が、牛久沼大水門の東岸から前方、ラトリンラップが妙にウィードっぽい感触を伝える沖目15m程に
ふと、普段は手を出すことも考えないボトムのスロー・ロール攻めを試してみようと思いついた。
既に、表層攻めのための揚力稼ぎと速巻き適性から
自覚的にタンデム・ウィローを選択するようになっていた私ではあったが
スピナベ・ケースにはたまたま以前に見た目惚れで買っていた
1/4、ダブル・ウィロー、ミッドナイト・スペシャルのザ・ブレードがあり、
それは(フロントがコロラドでない分)揚力小さめ、かつディープ・レンジでは実は目立つ黒づくめ、と
よく知りもしないし信じてもいないながら、スロー・ロールというメソッドに最適に思えた。



初期に惚れこんでいたホライズンのゴーストミノーに並んで
私がその確かで美しい前後のウィロー・ブレードの回転に見惚れるスピナベはザ・ブレードくらいだ。
これはスピード・ブレード・システムの付随的な利点でもあろうが
ブレード交換/固定のための金属パイプがスペーサーとしても機能し
前・後ろのウィローの距離を適度に離しているため、後ろが干渉で回り損なうことがないのである。
なおかつ最高級ブレード・メーカーでもあるヒルデブラントのスピナベは
フロント3番・リア3.5番、フロント3.5番・リア4番...のように細かなブレード配置を心懸けてある。
さらに言うなら、薄く軽く幅狭なヒルデブラントのウィローは
ゆっくり巻いて浮き上がりを排し、想定するディープのプロダクティヴ・レンジをみっちり引くという
スロー・ロールの基本を、揚力の小ささ(この場合は褒め言葉)で楽に実現させてくれるのだ。
低速時の微弱な水流にも横揺れしてくれる薄型ヘッドの効果も言うまでもなく。



そう、ここまで言っただけあって、もちろん成果はすぐに出た。
この大水路の「流れ」方向に沿って、おそらく畳2枚を縦に並べたくらいの面積のハンプに
小貝のこの近辺、この季節には珍しく局地的に生えていたらしきウィード群に
ザ・ブレードがぷんぷんぷつんぷつん当たる感触に気をよくしていると
6、7投目で35cmほどの悪くない1匹をキャッチ。
追加を期待し続けるもそれっきりだったが
想像だけから、むしろ食わず嫌いな方向のメソッドで釣ったという価値ある体験になった。



それから8年ほどが経ち、その後特にスロー・ロールを追究することもなく過ごしていた私は
ひょんなことから現住地の、山あいの小規模な野池での真夏の釣りで
またもやこの1/4、ダブル・ウィロー、ミッドナイト・スペシャルのザ・ブレードのスロー・ロールで
金星をあげたことがあった。
東京近郊の関東ではあり得ないくらい恵まれた、ゴツゴツの岩盤地形のクリア急深グリーンのその池は
辺境ウィルダネスに心躍らせるくせに全く反応を返してくれないツレなさで私をへこませかけたが、
ピーカンと岸辺に木・草のない丸見えスプーク状況を凶と見た私は
体感水深2.5m平均以上の辛抱スロー・ロールを20分続けて
水中深くの不可視なテーブル・ロックを感触を頼りに触診し回し
岩陰で涼んでいたであろう40アップを1匹手にしたのだった。
速く浅く広く、フィールドをできるだけ素早く知り尽くし、を旨とするのが普段の私だが
追い詰められていざという時、こういう限定特務要員を持って、知って、釣っていてよかったと
ルアーとの出逢いと経験の抽斗に感謝を新たにするのである。



にほんブログ村 釣りブログ バスフィッシングへ 









Ads by LinkShare


Ads by ValueCommerce


プライバシーポリシー

コメントの投稿

最新記事
ブログ内検索
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

スポンサード リンク


カテゴリ
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

月別アーカイブ
プロフィール

dreamtfields

Author:dreamtfields
わけあってバス釣り休止中
関東バス歴11年
電車&バス派
関東記録は47cm

RSSリンクの表示
リンク
amazonでキャッチ








最新コメント